原作にかなり忠実に作ってありました。
変に感情をあおるようなBGMさえなく、穏やかで暮らしが静かに描かれていました。
豊かな自然、そのなかに包まれる幸福感と、生き物につきまとう死という問題。
映像で味わうことで、清涼感が一層際立っていると感じました。
おばあちゃんの存在感がたまらなく良かった!
お皿を洗っている後姿でさえ、そこになくてはならない存在として絶妙にマッチしていたし、毅然としていて、静かで深い愛情をもっていることを、全身で表現していました。
サチ・パーカーさん。本名はサチコさん。いい女優さんです。大女優シャーリー・マクレーンを母に持つとか、そんなことは評価に一切関係なく、西の魔女を見事に演じていました。
まいを見送る表情なんてもう…。
その頃には、館内で鼻をすすり上げる音があちこちでしていたくらいです。
私? 幸い、鼻は出なかった(笑)。
主人公まい役の高橋真悠ちゃんも、現代っ子の繊細さと鋭さ、弱さと強さが混沌としている10代の不確かさを表現できていて、なかなか良かったと思いました。
本格的な演技は今回が初めてなんですって。そのおかげで、フレッシュさが生きていましたね。
原作にはないシーンや要素もちょこちょこ入っていました。
たとえば、高橋克実さんが演じる郵便屋さん。原作にはいない人物です。
この村のことはオレが一番知ってるんだよ〜♪という雰囲気のおしゃべりなおじさんで、生活感の奥行きを加えていました。
おばあちゃんにはイギリスから手紙も届くし、こうして美味しい手作りのかりん酒をもらいに来る人がいる、さびしい一人暮らしじゃないんだよという演出ね。
私は、あって良かったと思いましたよ。
きっと、あの郵便屋さん以外にも、ジャムとか果実酒とかもらっている人がいるだろうし、おいしいハーブティーをご馳走になりに来る人もいるだろうと、描かれていない背景も見えるような気がしました。
それに、あの家には、かりん酒以外にも絶対おいしい果実酒があるはずよ(笑)。
魔女が倒れたと聞いて家に入ってからのシーン。
すべていつもどおりにきちんと整えられていて、いつものように花が活けてあって。
原作では死期を知っていることを匂わせるセリフがあったんですけど、映画ではカットしてあったんですよ。
でも、この部屋の状態から、それを表現していました。
まいが持っていったマグカップが、テーブルの上に花を活けて置いてあってね。
その日、まいが来ることを知っていて、ちゃんと目に留まるように置いてあるとしか思えない状態。
だって、花はまだキレイな状態で咲いているのだから。
まいが新居へ移った後の日々、まいと食事しているような気持ちでこうしてマグカップに花を活けていたのかしら。
そんなことを思っちゃったら、涙がポロポロ流れて止まらない。
あえて難を言うなら、最後のシーンをもう少し丁寧に描いてもらいたかったなー。
あれだと、前もってメッセージを書いておいたように見えちゃうじゃない?
まいが家に着いたときにはなかったモノが、気が付いたらソコにあるからこそ実感があって、泣けてくるわけなので…。
あの粗暴な男にしか見えないゲンジさんが、おじいちゃんの好きな花を知っていて、特別に思い入れのあるあの場所からわざわざそれを取って来て、「供えやってくれ」と持って来てくれるからこそ、まいがあれほど拒絶していた感情がほどけていくわけなので…。
まぁ、キム兄の演技でカバーしてたと言われればそのとおりなので、いいんですけど。
「おばあちゃん大好き」と言えなかったまま別れたことを、まいが気にしていることが言葉で入っていたのはわかりやすくて良かったですね。
だからこそ、最後に「おばあちゃん、大好きーっ!!」と叫ぶシーンが際立ちましたね。
原作を読んでるからストーリーがわかってるのに、ここで言うってわかってるのに、「I know...」はぐっと来ました。
人間を何十年もやってると、誰かしら親しい大切な人を亡くしているものだと思うんですよ。
心の琴線に引っ掛からないわけがないです。
「お父さんのこと思い出した?」「おばあちゃんのこと思い出しちゃったー」なんて会話があちこちでされていましたもの。
私はすでに原作を読んだ時点でいろんな人のことを思い出していたから、ボロボロ泣かずに済んだけれど、映画が先だったらキケンでした(笑)。
上映後の女性客は、化粧室に直行ですよ。
だってー、お化粧直さなくちゃいけないものー。
アイラインやマスカラが流れてるだろうし、ファンデーションだって落ちて縦じまになってるかもしれないでしょ?
…って、アンタはすっぴんじゃー!!と連れから突っ込みは入りませんでしたけどね。
自分のお化粧直ししてるんだから、それどころじゃなかったかと(笑)。
真っ赤な目のままショッピングっていうのもねー。
それでも、しましたけど(笑)。
しばらくは、心が洗われてピュアになれた気分でした。
都会の雑踏に帰った頃にはいつもどおりっていのが、情けないような…。
やっぱり“魔女の修行”は私にも必要だとは思うけれど、環境を選ばないと無理だなーと早くも挫折してたりして。
仕事に忙殺されていた頃より、季節を感じ、ミニバラの息吹を感じながら過ごしている分、多少はマシかとも思ったり。
舞台となっている家、よくできてるなーと思いました。
キッチンやコンサバトリーは英国風。窓枠のデザインも素敵。
おばあちゃんの寝室は畳のある和室で、ベッドではなくお布団で寝ていました。きっとおじいちゃんと布団を並べていたのだろうという、物語の奥まで感じさせてくれました。
お庭は…頑張って作ったんだろうなって伝わってきました。
小さなベランダのガーデナーでも、ホンモノと無理して作ったモノの違いはわかっちゃうの。ごめんなさい(笑)。
でも、だからこそ、撮影に合わせて、ストーリーに出てくる植物を育てたのは苦労があっただろうなーと思いましたよ。
バラはちらっとしか写らなかった(笑)。
バラは用意するのに時間がかかりますからねー。
しょうがない。
あの家はしばらくの間一般公開されているんですって。
バスツアーまで企画されています。
詳しくは、下記を見てね。↓↓
映画「西の魔女が死んだ」 オフィシャルブログ :
「西魔女」に触れ・体験するバスツアー申込受付中!
子供にとっては素敵なファンタジーとして楽しめると思います。
大人にとっては、過去との対話、現在の生活への反省とか、いろいろ心が動かずにはいられないのではないかと思います。
素直な心で観ると、きっと楽しめると思いますよ。
予告編動画↑↑
[関連リンク]
[関連する過去記事]
原作についてはこちらで。
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中学生のとき、同じクラスの男の子に突然告白されたことがあります。
プロポーズの告白じゃないのよ。むしろ独白っていうの?
「オレ、死ぬのが怖い」って。
突然でビックリしたー。死の病を患ってるのかと思って、心配しちゃったわ。
よくよく聞いてみると、大人になることへの不安がその子を苦しめてたのね。
高校受験も不安で、落ちることばかり心配してた。
いっそのことなら、大人になる前に死んでしまおうかとまで思いつめててね。
でも、死ぬのはもっと怖い。死って一体何なんだとさらに苦しんでたということらしかった。
その子とまともに口をきいたのがその時が初めてだったから、余計に驚いたわー。
廊下でいきなり切り出すんだもの。
でも、10代ってそういう不安を抱えてオロオロしている年頃だものね。
悩んで当たり前。悩まないほうが不自然だとさえ思う。
問題は、それを全身で包み込んで受け止めてくれる人、愛情を惜しみなく注いでくれる存在がいないってことなんじゃないかしらね。
なんてことも、映画を観ながら思ったのでした。


















そのオトコノコにももサンは惜しみなく愛情を注いだのだろうか...?
そんなコトいきなりいわれたら逃げ出しちゃいますよ。ワタシは...!
話は最後まで聞いてあげました。
その後現在に至るまで、特に会話したことはなかったかと…。
なぜあんなことを切り出したのか、ナゾです。
「西の魔女が死んだ」関連のブログを
漂ううちにやってきました。
一番、ボクの感性にピタっとくるブログですね。
うんうん、って何度もうなずきながら読ませていただきました。
うちの拙いブログもガーデニング関連があったりします。
よろしかったらおいでくださいませ(ペコリ)
はじめまして♪ コメントありがとうございます。
何かしらお伝えできたことがあったようで、光栄です。
お嬢さんの作文の心配までされて、微笑ましい父娘関係ですね。
お父さんと話し合って感想文にするなんて、素敵ですよー。
口にすることによって初めて自分の気持ちに気が付いたり、実感として消化できることもありますし、共感や討論の練習にもなるし、さらには親子のつながりを深める機会にもなって、とってもいいことに思えますよ。^^
お花の写真がキレイですね。
いいカメラをお使いなんでしょうね。
チューリップの美しさと、ミニバラの野生化(?)に心が奪われました。
また、ぜひお越しくださいね。