重曹がウドンコ病に効く?!〔前編〕


■ベランダで気軽に使えるウドンコ病対策を求めて

ベランダ園芸をしていると、常にウドンコ病がついてまわります。草花でも、ミニバラでも、野菜でも、ほぼ1年中ウドンコ病にかかります。

うちの栽培環境は、真上には洗濯物が下がっているベランダです。皮膚に付着させないように注意書きが書いてある薬品を散布することは、できれば避けたい。また、耐性がつかないように、一つの方法だけを繰り返すことも避けたい。

そのため、散布に際して神経質にならずに済む方法をいつも探しています。その一つが、「新手のウドンコ病対策」で書いた、アルコール除菌ティッシュで拭き取る方法です。飛び散る心配がなく、安価なので気に入っています。丁寧に拭かなければいけないので、手間が掛かるのが難ですけれど、ミニバラにはむしろちょうどいいと感じています。それに、何と言っても効果はバッチリあります。ハダニ対策にもなります。

昨年、初めて目にしたのが、「重曹水スプレー」でした。さにこさんのブログ(さにこのばら園)へのコメントに書きこまれた方法です。レシピは、重曹水1000倍希釈+展着剤+台所用洗剤少々です。

ネットで調べてみたら、他にも重曹水が効くと書いている人がいました。でも、そちらは5倍希釈だと言うんですね。1000倍と5倍では、あまりにも違いすぎます。どちらを信じてよいのか迷いました。

何か、根拠になる資料がないものか。次に見つけたのが、炭酸水素ナトリウム、つまり重曹を使った「ハーモメイト水溶剤」という薬剤です。こちらでは、800倍希釈となっています。
とりあえず、炭酸水素ナトリウム(重曹)がウドンコ病に効くらしいということ、1000倍近くに希釈すれば良さそうだと考えました。

重曹は、食用にも使われる材料です。炭酸ガスを発生する性質を利用して、膨らし粉として使われることがあります。また、たんぱく質を溶解し、繊維を柔らかくする性質を利用して、煮豆にも使われます。
磨き粉として使用する際には、皮膚に障害が現れる場合もあるので、手袋使用が推奨されていますから、「皮膚に付いても絶対大丈夫」とは言えないかもしれませんが、口に入れられる物なので、神経質にならずに使える材料だと思いました。

■とりあえず実験

うちのベランダで他に先駆けてウドンコ病が発生するのは、ミニバラのミストラルです。他のミニバラにウドンコ病が発生する前に、ミストラルで試してみることにしました。

材料がちゃんと揃っていないのが私のいい加減なところなんですが、重曹水希釈液(推定800倍)+台所用洗剤少々を株全体にスプレーしました。使用した重曹は、食用です。

1度目の散布では、菌は完全には死滅しなかったようです。2回目のスプレーの後、ウドンコの病変が見当たらなくなりました。

ただ、もろ手を挙げて万歳というわけにもいかなかったのです。
一つは、スプレーの後、葉が白くなってしまうこと。重曹は白い粉なのですから、当然と言えば当然です。ただ、白い粉が付着すると、ウドンコ病菌も白い粉状ですから、一見見分けが付かないのです。
また、見栄えのために、この粉を落とす必要があります。

二つ目は、薬害。すぐにはわかりませんでした。葉の先端が黒っぽく変色し、枯れたようになってしまうものがありました。

ミストラルは葉が柔らかく、他のミニバラより弱いと思います。
そこで、他のミニバラでも試してみました。他のミニバラでは、薬害は出にくいように感じましたが、出ないわけではなかったのです。

■酸性? アルカリ性? 弱? 強?

薬害が出る方法は、有用だと言っていいのか? なぜ薬害が出るのか? 濃度が濃いから? もし濃度の問題だとするなら、適切な濃度はどのくらい?
そもそも、なぜ重曹がウドンコ病菌を退治するのか?

好奇心が先立ってとりあえず実験に踏み切ってしまったのですが、後から疑問がいろいろ沸いてきました。

うどんこ病(うどんこびょう)は子嚢菌のウドンコカビ科の純活物寄生菌による植物病害の総称。ブドウ、麦類(コムギ、オオムギ)、野菜などの重要な病害である。葉や茎がうどんこをかけたように白くなる症状で、他の病害と容易に区別できる。最初1点から始まり、広がるとともに分生子を形成して離れた所にも感染する。ウドンコカビ科自体は高緯度の冷涼地帯に分布中心がある菌であるが、分生子が過湿環境であると給水のし過ぎで破裂しやすいこともあり、高温乾燥時に蔓延しやすい。

 

うどんこ病 - Wikipedia より引用


ウドンコ病の菌糸もカビの一種なわけですね。
カビにはカビキラーが効く…? カビとり剤のカビキラーって、アルカリ性なんですよね。水酸化ナトリウムが入っていますから、強アルカリ性ですよね? 手袋着用・換気が必須ですから、どう考えても強い性質を持っていそうです。
ところが、重曹は弱アルカリ性です。アルカリ性のなかでも弱い性質のようです。

バラのウドンコ病対策の話題でよく目にする「酸性水もどき」は、ネットでもかなり有名な方法のようです。もちろん、私もお世話になっています。
「手っ取り早く台所や洗面所にあるものを、まぜまぜしただけで、かなりの殺菌力をもち、しかもすぐに分解して残留しない散布液は作れないものか?」という着眼点で、GAMIさんが考案したオリジナルの方法です。GAMIさんのサイト(農薬ギライのためのバラ作りのページ)に仔細に説明されていますので、詳しくはそちらをご覧ください。

「酸性水もどき」、そしてGAMIさんが勧める他の方法「強酸性水」のいずれも、その名の通り強い酸性です。

化学に疎い私の頭は、これで混乱してきました。逆の性質のものが効くってどういうこと? 強いのがいいの? 弱くてもいいの?
やはり、重曹がなぜウドンコ病に効果があるのか、もう少し理解を深める必要があると判断しました。

長くなってしまったので、後編に続く。 ≫ 後編はこちら


[参考にしたサイト]
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この記事へのコメント

  • nayamom

    ももさん、明日の後編も読ませていただきます。科学的なお話でなかなか奥が深いですね。

    重曹はよく流し台の掃除に使っていますが、まさか花に!目から鱗でした。
    カビキラーはさすがに目にしみて痛いので、体にも花にも悪そうな気がします。
    果たして???
    2007年04月09日 23:01
  • NAO

    私もきゅうりのうどん粉病に重曹液を使ったことがあります。効き目はいいですがやはり薬害(?)が出ますね。
    ただこれは葉っぱに展着した重曹液の水分が蒸発して重曹液が濃くなってしまうからだと思います。散布して暫くしたら洗い流した方がいいですよ。
    今年は酸性水モドキを試してみようかな。
    2007年04月09日 23:35
  • Hirokazu

    うわーーーーー!はやくつづきがよみたいよぉーーー!!

    ちなみにワタシは「アルコール除菌スプレー」試してみました。
    効果のホドは...やっぱ拭き取らないとダメ!みたい...
    2007年04月09日 23:48
  • たま

    はじめまして。
    うどんこ粉の季節ですね。
    私は野菜を育てているので「農薬は使いたくない!」と去年いろいろ調べましたが、砂糖水+台所用中性洗剤というパターンがわりと効いた記憶があります。
    結構メジャーな対策みたい。
    うどん粉病・・・消滅するとよいですね。
    2007年04月09日 23:54
  • もも@管理人

    ◆nayamomさん
    カビキラーは極端な例えなんですけどね。^^;
    私自身は化学なんて学校を卒業してからすっかり忘れていますが、後編では化学者のお話が出てきます。
    2007年04月10日 00:38
  • もも@管理人

    ◆NAOさん
    > 散布して暫くしたら洗い流した方がいいですよ
    おっしゃる通りで…。後編に伸ばした結論を先に言われちゃった(笑)。
    2007年04月10日 00:40
  • もも@管理人

    ◆Hirokazuさん
    興味を持っていただけて、良かったー。
    私も、アルコール除菌スプレーより、同じアルコールなら拭き取るのが確実な気がしますねー。
    とか思いつつ、他の方法も探して試したくなっちゃうこの性格…。
    そんなわけで、この記事を書くことにしたのです。
    2007年04月10日 00:47
  • もも@管理人

    ◆たまさん
    初めまして。コメントをありがとうございます!
    砂糖水+台所用中性洗剤という方法は、セントラルローズのBBSで話題になっていて、昨年よく使っていました。
    最初はバッチリ効いたんですが、次第に最初ほどの効果がなくなっていったように思ったんです。
    ウドンコ菌は空中を飛んで来るので完全にシャットアウトできるわけもなく、いつでも対策を講じなくてはいけないから、いろんな方法を試しているんですよー。
    2007年04月10日 00:50
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