この記事は、理化学研究所に事前に転載申請をし、許可を受けたうえで書いています。二次転載を固く禁じます。
前編をお読みになっていない方は、ぜひ前編からご覧くださいね。
■重曹は薬害が出るものだった
私の疑問を要約すると、
・重曹がなぜウドンコ病に効くのか
・重曹水はなぜ薬害が出るのか
ということです。
素人の私でも理解できるように、明快に答えてくれる記述をようやく見つけることができました。
「ミカンから抽出した苦み成分の抗菌効果を調べるために、重曹を混ぜて溶かしました。すると苦み成分の方ではなく、重曹に高い抗菌効果があることが分かりました。これが今の研究につながる最初のきっかけです」
出典:有本 裕「安全な農薬で食糧問題に貢献する」『理研ニュース』April 2006(No.298)
出典は以下同じ。
重曹には抗菌効果があったんですね!
しかも、その発見から、薬が開発されていたのです。
有本研究ユニットリーダーらは重曹を主成分にした薬剤を開発し、1982年に農薬登録の認可を得た。しかし、ここからが苦難の始まりだった。この農薬は、果樹や野菜の主要な病気である、うどんこ病の防除に高い効果を示したが、薬害も発生してしまったのだ。「乾燥した温室で作物に散布すると、水分が蒸発して重曹の結晶ができます。その結晶が夜露(よつゆ)に溶けて大変濃い溶液となり、作物に被害を与えたのです」
そう。葉に残る白い粉は重曹水が結晶化したもので、見栄えが悪いだけでなく、薬害の原因にもなっていたのです。
原因がわかって、スッキリしました。
では、この結晶をどうすればいいのか。
有本氏らは、結晶化を抑えて薬害を防ぐ研究をしたのです。
結晶化を抑えて薬害を防ごうと、重曹や重カリに、500〜600種類の薬品と混ぜる実験を繰り返したものの、そう簡単には解決策が見つからなかったそうです。
重カリ(炭酸水素カリウム)は重曹(炭酸水素ナトリウム)と似た性質のもので、同じ防除効果があるとか。重カリは欧米では食品添加物として使われ、日本でも、医薬品や肥料などに使われているそうです。重カリも、重曹同様口に入れられる物なのです。
研究チームが4年の年月をかけて試行錯誤したことを、ド素人の私が簡単に「なぜ?」「どうすればいい?」なんて考えても、そう簡単に答えが出るものではなかったんです。
浅はかだったなと思うと同時に、研究者と素人が同じ問題点にたどり着いたことが面白くもありました。
その薬害を防ぐ技術がどういうものであったかについては、ぜひ引用元のページをお読みください。
■食用の材料から開発された薬
この農薬は、肥料としても働き、植物の耐病性を高め、治療効果もあるそうです。
カリグリーン
カリグリーン
「カリグリーンの発売後、素晴らしい効果を持つ2種類の化学農薬が発売されましたが、どちらも数年で耐性菌が出現して効かなくなりました。1993年にカリグリーンが発売されてから約13年になりますが、耐性問題は報告されていません」
耐性がつかないのは、ありがたいですね。
食品や食品添加物として長年使われてきたものを防除に用いるというコンセプトをSaFE(セーフ)(Safe and Friendly to Environment)と名付け、新しい農薬の開発が進められており、その成果の一つがカリグリーン
このSaFEという考え方は、小さな空間で小さなガーデニングをしている私にとって、受け入れやすい考え方です。私が「砂糖水」や「重曹水」を試してみた理由は、口に入れられる材料だという点にあったのですから。
そういう発想で作られている薬剤もあったのですね。
この記事を読むと、短絡的にすべての農薬が危険であると決め付ける必要がないと思えてきます。
むしろ素人判断で希釈した水溶液は、成分が不安定です。特に私の場合は水溶液を作る量が少ないだけに、希釈濃度も作るたびに均一にはならないでしょうし、攪拌も十分でないでしょう。粒子レベルで判断していませんし。
堆肥作りに関しても、同様の指摘がありますね。
手軽さと不確かさを天秤に掛けてどちらを取るかは、その人次第でいいと思います。
これを読んだあなたが、「それでも薬剤を混ぜている物だから、農薬は一切お断り」という結論でも、「安くて手軽なのが一番だから、自分で重曹水を作るよ」という結論でも、一向に構いません。
■私の判断
私なりの結論としては…
・重曹水はウドンコ病に効果があるが、薬害も出る
・自家製重曹水は、希釈液の濃度を一定に保つのが困難
・重曹水散布後の結晶は薬害の元になるので、洗い流す必要がある
・薬害を避け、安定した効果を得るには、「カリグリーン」を使ってみよう
私は、ウドンコ病が広範囲に発生したときには(といっても、たかだか小さな鉢が10鉢程度ですけど^^)、カリグリーン
ミニバラで見栄えが悪くなるのは、ご勘弁。
黒く変色した葉は、見ていて悲しいですし、黒点病を思い起こさせギョッとしてしまいます。小さな異変も、株全体が小さいから目立つのです。
果菜の葉だったら、あるいはバラはバラでも大きなバラだったら、多少黒くなっても気にしないかもしれないとは思うんですけどね。
実は、今回の実験で、ミストラルの蕾を1個ダメにしちゃいました。蕾にはかけていないつもりだったのですが…。
真っ黒に変色してしまった蕾を見て、こんなギャンブルは止めたほうがいいんじゃないかなと思ったのでした。
なにせ、ウドンコ病の被害に真っ先に合うのは、柔らかい新芽と蕾の茎です。そこに使えないのでは、常用できませんからね。
[参考にした記事]
『理研ニュース』April 2006(No.298)
研究最前線「安全な農薬で食糧問題に貢献する」
有本 裕(中央研究所 作物保護研究ユニット 研究ユニットリーダー)
[関連記事]
重曹がウドンコ病に効く?!〔前編〕

「『安全性が高い』のは逆に効かないのでは?」と
結局別のを買ってたアレですか..!
いやー、みくびってました!!
今度はバカにせずに試してみよっ!
「安全性が高い=効果が薄い」と思いがちですよねー。
私もそんな感じでした。
でも本当はカリグリーンの事までコメントしようと思ったけどやめたんだよ。やっぱりカリグリーンに行っちゃうよね、最終的に肥料になるんだから安全この上ないと思ってる。
前にきゅうりに使ったけどそこそこ効果があったと思う、ただ一箱に入ってる量がすくないので使わなくなったような記憶です。
今年はうどん粉で撤去する頃には次の若い株が収穫できるようなローテーションできゅうりを育てようかなと目論んでいます。
うどん粉もそうだけどアブラムシも悩みの種です。試行錯誤が続きますね。
そりゃあ、もう、NAOさんはいっぱい経験と知識を備えた「野菜のお兄さん」ですから、私の考えたことなんてお見通しだったでしょう(笑)。
初めの頃はウドンコひとつにきりきり舞いでしたけど、今では試行錯誤が全然苦になりません。あくなき戦いといいますか、試行錯誤が続いていくものですよね。
アブラムシもそうですね、ホント。大した被害じゃないようでいて、放置しておくと病気にまで発展してしまうんですものね。
あそこまで群生する生き物っていうのも、驚きます。アブラムシには淘汰ってないんですかねー。
私も今からうどん粉病には戦々恐々としているので、是非参考にさせて頂きます。
納豆菌とか乳酸菌が効く、という話もききましたが、なかなかそううまい話はないんでしょうかねぇ・・・。
菌にもいろいろありますからねー。
自分に都合の良い菌だけを殖やすのも、なかなか難しいかもしれませんね。細菌の生態についても知る必要があるでしょうし。
広いお庭だったら、米ぬかを発酵させてもいいんでしょうけど、うちみたいにベランダのニオイが即室内に流れ込む環境ではちょっと…。
私の姉が、フロックスの種を買ったのですが…
フロックスはウドンコ病にかかりやすいと…。
やっぱり都合のいいものばかりはありませんね。
重層どうしましょう…薬害が心配です。
この梅雨時は、ウドンコ病発生時期ですね。
フロクッスを育てたことがないので何とも言えませんが、本文中で書いているように、重曹と同じ効果でしかも安定しているのはカリグリーンですので、薬害が心配でしたらカリグリーンを使ってみてはいかがですか。
乾燥が原因の場合、シリンジでも防ぐ効果があります。まずはウドンコ病にかからないようにくふうしてみてくださいね。