『三四郎』を読んでみた

4月16日に書いたように、『三四郎』を読んだことがないのです。

それならば、この機会に読みましょう。

というわけで、青空文庫を探しました。青空文庫というのは…

青空文庫は、誰にでもアクセスできる自由な電子本を、図書館のようにインターネット上に集めようとする活動です。  著作権の消滅した作品と、「自由に読んでもらってかまわない」とされたものを、テキストとXHTML(一部はHTML)形式に電子化した上で揃えています。

 

青空文庫編 青空文庫早わかり より


大変便利でありがた~いサイトなのです。

しかし、縦組み用の文章を横書きで読むのはしっくりこないなーと思ったら、縦書きに対応した電子書籍リーダー「えあ草紙」なるものがありことを知りました。ますます便利になっていたんですね!

参考までに、えあ草紙の画面を紹介します。

これ↓が、えあ草子で『三四郎』を開いたところ。

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文庫本をかなり忠実に表現していますね。
[Windows]キー+[s]で、設定画面を開きます。

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「ページ裏面透過率」とは、文庫本のように裏のページがほんのり透ける仕様です。本好きさんの愛が溢れているようです。

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本文。文庫本、しかもちょっと古いモノを開いているような気分になる背景色にも、愛を感じます。


『三四郎』は1908年に発表された作品だから、すでに100年以上昔の話ということになりますね。現在は、物質も情報も100年前の人がきっと想像できないくらい豊富になり、それにともなって選択肢も数えきれないほど増えているはず。それなのに、人の内面はもちろんだけど、東京という町の成り立ちは変わらないと思いました。

もちろん、100年の差を感じる部分も多々あります。例えば、物語の舞台の中心となる文京区・本郷からみると、当時は大久保が郊外と呼ばれ、そんな遠くに住まなくても…という扱いをされていること。町の規模が今とはまったく違う感覚。交通網が発達したとはいえ、移動に時間を掛けざるを得ない現在の生活が果たして良いのだろうかを考えさせられてしまいました。

登場人物の発言には、たひたびハッとさせられました。物語冒頭に出てくるおじいさんは…

自分の子も戦争中兵隊にとられて、とうとうあっちで死んでしまった。いったい戦争はなんのためにするものだかわからない。あとで景気でもよくなればだが、大事な子は殺される、物価(しょしき)は高くなる。こんなばかげたものはない。

 

夏目漱石 三四郎 | 青空文庫 より


こういう端的に的を得た発言を、登場人物がそれぞれ折につけするわけです。グッと来ました。これがこの作品の醍醐味の一つですね。

100年経っても人間はさして変わらないし、社会の問題、人間関係の問題なども、本質は変わらず続いているものなのだなと考えさせられました。

三四郎を取り巻く恋愛模様のようなものは、私には恋愛に思えないところがあったり、妙に積極的に翻弄するだけの女性たちとあたふたするだけの三四郎の関係に、「U局のアニメですかっ!」と突っ込みたくなるところもあったり。いやいや、これも結局、人は変わっていないということなんじゃないかと思えたのでした。

あ、そうそう、ヘリオトロープね。意味深アイテムでした(笑)。三四郎が選んでくれたヘリオトロープの香水をハンカチに染み込ませてあるのを、三四郎の目の前で吸ってみせるなんて。三四郎を袖にするというのに、なかなかの悪女っぷりですな(爆)。

ヘリオトロープの香りが色っぽいと感じた私の感覚も、あながち間違っていなかったのではないでしょうか。


[参考リンク]
http://www.aozora.gr.jp/青空文庫 Aozora Bunko

http://www.satokazzz.com/airzoshi/えあ草紙工房 | 青空文庫縦書き対応、汎用電子書籍リーダー

150419-4.gif『三四郎』 | えあ草紙工房

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